阪神に現れた右の大砲、WBCの裏で“新顔”が高評価…セイバー目線のOP戦セMVP

阪神・森下翔太【写真:荒川祐史】
阪神・森下翔太【写真:荒川祐史】

阪神のドラ1森下がwRAA1位、燕の若手2人が上位に

 今年はワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が開催されたため、野球日本代表「侍ジャパン」に選出された選手がほとんど出場しない形でオープン戦が行われたが、その分、将来を嘱望される若手の出場機会が多くなったといえよう。ここではセ・リーグ球団から「オープン戦MVP」をセイバーメトリクスの指標で選出してみる。対象試合はNPBの春季非公式試合(オープン戦)のみとし、練習試合、侍ジャパンとの強化試合は含まない。

 選出基準は打者の場合、平均的な打者が同じ打席数に立ったと仮定した場合よりもどれだけその選手が得点を増やしたかを示すwRAAを用いる。投手の場合は、平均的な投手に比べてどれだけ失点を防いだかを示す指標RSAAを用いる。

 セ・リーグ打者のwRAAランキングは以下の通り

森下翔太(阪神) wRAA5.04、17試合、58打席、OPS.946、本塁打3
赤羽由紘(ヤクルト) wRAA5.01、18試合、51打席、OPS.947、本塁打1
丸佳浩(巨人) wRAA4.72、15試合、47打席、OPS.985、本塁打2
濱田太貴(ヤクルト) wRAA4.55、17試合、55打席、OPS.893、本塁打2
岡林勇希(中日) wRAA4.09、12試合、45打席、OPS.842、本塁打0
田中幹也(中日) wRAA3.76、8試合、29打席、OPS.935、本塁打0

 wRAAが最も高い指標となったのは、阪神のドラフト1位ルーキーの森下翔太。2月25日の日本ハム戦に「3番・右翼」で初スタメンとなった際、3安打の固め打ち。3月10日の日本ハム戦で初本塁打を記録するなど結果を残し、OPSはチーム2位の.946。3月17日からは全て右翼で先発出場するほどの信頼を得た。阪神のOPS1位は日本ハムから移籍した渡邉諒内野手の.973だった。

 2位に赤羽、4位に濱田とヤクルトの若手が名を連ねた。WBCに村上宗隆、山田哲人が出場したため、多くの若手の出場機会が多くなったチームの中で、打撃で大きな成果を残した。赤羽はチーム1位のOPS.947を記録。守備では外野の3ポジションと一塁、三塁を守るなどユーティリティ性を発揮した。濱田は長打率.566と持ち前の長打力を披露し、左翼のポジションを青木宣親と争える立場となったようだ。青木も出塁率.432と41歳となった現在でも存在感を示している。

DeNAドラ3林は新人最多の打席数、中日・福永らもアピール

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY