ワースト12敗の「昨年とは違う」 田中将大に見た進化…“誰も真似できない”価値

楽天・田中将大【写真:荒川祐史】
楽天・田中将大【写真:荒川祐史】

田中将は6回途中2安打1失点の粘投で今季初勝利

 楽天の田中将大投手は30日、エスコンフィールドで行われた日本ハムとの開幕戦に先発し、6回途中2安打1失点の粘投で今シーズン初勝利をマークした。内外角の制球、変化球の精度と円熟味を増した投球で先発の役割を果たした右腕に、野球評論家の新井宏昌氏は「昨年とは違った、ベテランの投球を見せた」と、賛辞を送った。

 11年ぶり2度目の開幕投手を任された右腕が上々のスタートを切った。3回まで毎回三振を奪い、5回1死まで完全投球。清宮にフェンス直撃の二塁打を浴び、次打者のマルティネスに死球を与え一、二塁のピンチを背負ったが後続を打ち取り無失点。6回には1死満塁から野村の犠飛で1点を失ったが、6回途中1失点の好投でチームを勝利に導いた。

 直球の最速は150キロをマークしたが、この日の投球はスライダー、スプリット、ツーシームなど変化球が主体。日本球界に復帰して3年目を迎える右腕に新井氏は「甘く、間違うストライクが少なかった。内外の制球も抜群で逆球もほとんどない。この日は、どちらかというと“技巧派”だったが、さすがの投球内容だった」と振り返った。

 過去2年間は先発ローテを守りながら4勝9敗、9勝12敗と負けが先行。オフには投球フォームの改造にも取り組み、今年にかける意気込みは誰よりも強かった。新井氏は昨年との違いについて「腕の使い方が少し縦振りになっているように感じました。スライダー、スプリットなど変化球の曲がり、落ち方が以前とは違ったように見えた」と指摘する。

「相手打線も少し戸惑っているように見えた」

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