「前田だけじゃ勝てない」 チームメートも痛感…大阪桐蔭が立ち向かう課題

大阪桐蔭・前田悠伍【写真:小林靖】
大阪桐蔭・前田悠伍【写真:小林靖】

夏に向けて投打に課題「たくましくなっていかないと」

 西谷監督は「この大会はなかなか攻撃がうまく出来なかったことが露呈した」と振り返った。毎年甲子園で自慢の強打を見せつける大阪桐蔭だが、今大会はロースコアの試合も多く、1試合平均3.75得点だった。「打つだけじゃないですけど、攻撃力をつけていかないと。ピッチャー陣も、もう1つ2つたくましくなっていかないといけない」と夏へ向けた課題は多い。

 この日、悔しいマウンドとなった南恒は「真っすぐが投げ切れなかったり、不運なあたりもあった中で粘りきれなかったのが弱さかなと思います」と下を向いた。投手陣の課題は、1年時から注目を集めてきたエース前田に次ぐ存在。「前田だけじゃ勝てないということでこの冬やってきました」と振り返るように、チームメートも痛感している。

 球数制限も導入され、大黒柱のエース1人に頼る投手起用には変化が迫られている。南恒は「夏は前田に頼らないようにやっていきたい」と成長を誓った。

 試合後、スタンドへのあいさつを終え、西谷監督は選手たちに声をかけた。「選抜は終わりましたけども、夏に向けてのスタートですので、みんなで知恵を絞って努力して、ここに必ず帰ってきて優勝しようと」。悔しさを胸に、夏の山を登り始める。

(上野明洸 / Akihiro Ueno)

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