“山梨の虎、甲子園の子猫ちゃん” 批判バネにVの山梨学院「猫くらいになれたかな」
全国舞台で苦戦続き「なんで甲子園行ったら弱いんだ?」の声も
「第95回記念選抜高校野球大会」は1日、阪神甲子園球場で決勝戦が行われ、山梨学院が7-3で報徳学園(兵庫)を下し、初の選抜優勝を果たした。山梨県勢としても春夏通じて初の甲子園優勝となり、2013年から指揮を執る吉田洸二監督は、「甲子園が選手を成長させてくれて、力を出し切った試合ができました」とお立ち台で笑顔を見せた。
3月31日の準決勝では広陵(広島)に勝利して県勢初の決勝進出。「歴史の扉を開けたので……」。監督も涙したが、この日は涙なし。「昨日が感激しすぎて、今日は涙1つなく、サラッとしてる感じです」と率直な心境を明かした。
吉田監督は、2009年に清峰(長崎)を選抜優勝に導き、2013年から山梨学院で指揮を執る。2014年には選抜に導くも1回戦負け、その後も春夏で計7回甲子園出場も、1度も3回戦に進めず、批判の声も耳に入った。「なんで山梨では勝てるのに、甲子園行ったらあんなに弱いんだと。山梨の虎、甲子園の子猫ちゃんだとあだ名をつけられて。これ結構しんどいんですよ」と苦笑いする。
昨秋は関東大会を制したものの、神宮大会では英明(香川)に敗れて1回戦負け。冬を越え、今大会は大会初日の第1試合となった東北(宮城)戦に3-1で勝利すると、エース林謙吾投手(3年)の奮起もあって勝ち進む。決勝では関西の強豪・報徳学園を下し、全国の舞台で史上初となる1大会6勝を挙げた。吉田監督は「今回は虎まではいかないけど、子猫じゃなくて猫くらいにはなれたかなと」ニヤり。胸を張って、優勝旗を持ち帰る。
(上野明洸 / Akihiro Ueno)