高校生の長男に助言求める43歳左腕 親友・五十嵐亮太も驚く石川雅規の“新発見”
ヤクルトで10年一緒に戦った同級生のスペシャル対談【第1回】
日米23年のプロ野球生活を送った五十嵐亮太さんが、各界のトップに立つ“同世代”と対談するシリーズ「極める」。同世代だからこそ共有できる想いを語ったり、異業種だからこそ新鮮に感じる発見に驚いたり……。が、第4弾の今回はプロ野球開幕記念の特別編。“盟友”のヤクルト・石川雅規投手が登場する。
2020年を最後に現役を退いた五十嵐さんに対し、プロ22年目の今季も球界最年長・43歳でマウンドに上がる石川。ヤクルトでともに戦い、「亮ちゃん」「マサ」と呼び合う気心知れた“同級生”だからこそ話せる心の内を明かす。全3回シリーズの第1回は「データでは計れない野球の魅力」だ。
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五十嵐:あらためて今年のキャンプはどうだった?
石川:過去2年はコロナ対策で外出できずに息苦しかった。今年は外食もできたので全然違ったね。リフレッシュの意味もあるし、後輩とコミュニケーションを図る場でもあるし。無観客試合はプロ野球という感じがしなかったな。
五十嵐:野球選手にとっても苦しい時間が続いたよね。長くやればやるほど、お客さんの力って感じやすくなるから。
石川:それは年齢を重ねてすごく感じる。
五十嵐:ありがたい話だけど、たくさん歓声をもらうと感覚が麻痺してきて、逆に刺激や緊張が足りなくなることはない?
石川:段階があったかな。若い頃は俺、試合が終わると緊張から解き放たれて吐いてたでしょ。2年目までその緊張があって、慣れてくると今度は伸び悩む。ある程度長く成績を残せるようになってからも、30代半ばを過ぎてうまくいかなくなって「こんなはずじゃない」「こういう姿は見せたくない」って変なプライドが邪魔して、また緊張しだした。
五十嵐:それは緊張感がプラスに働いたの?
石川;俺はプラスに働いた。やっぱりいい緊張感がないと。ま、俺も最年長になって……。
五十嵐:21年目?
石川:22年目(笑)。目標は大きく持っているけど、いつ終わってもおかしくない。だから、毎試合「今日が最後かな」と思ってマウンドに上がるよ。
五十嵐:それ、本当に思ってる?
石川:マジで思ってる。いつ壊れるか分からないし、しっかりとした準備をしよう、その時の風景をしっかり見ておこうって思えるようになった。