高校生の長男に助言求める43歳左腕 親友・五十嵐亮太も驚く石川雅規の“新発見”
アンテナを張り巡らせて探る「自分に入ってきやすい言葉」
五十嵐:マサは自分のベストを見つける過程で「違う」と感じた時の切り替えが誰よりも早い印象があるんだよね。そもそも引き出しが多いのか、常にアンテナを張っているのか。自分の息子にも投げ方を聞いたんでしょ?
石川:そう、高校で投手だった長男に「お前、どうやって投げてるの?」って(笑)。
五十嵐:そこまで参考にするって面白い。自分の知らないことを知ろうとする意識が常にあるのかな。
石川:色々な人の話を聞いて、自分に入ってきやすい言葉を探している感じかな。例えば、遠くに投げたい時だったら「上に投げろ」「大きく腕を使え」ではなく、イメージ的に「パチンと投げろ」というのが入りやすいこともある。
五十嵐:イメージね。変化球を投げる時に「捕手のヘルメットを叩く感じ」とか。
石川:そう。Aと言ってできないことでも、Cと言い換えたらできるかもしれない。だから、自分に入ってきやすい言葉を探している感じ。いつか辞める時が来るけど、その時までは成長のチャンスがあるんじゃないかと思うんだよね。これでいいと思ったら衰退するから、いかに抗おうかって考えてる。
五十嵐:今でも新たな発見はある?
石川:あるある! 前に挑戦したことが「こういうことだったのか、今ならできる」となったり、前できていたことができなくなったり。43歳は初めての経験だから毎日が刺激だし、毎日が難しい。22年目という経験をどう生かすかはコンディショニングの維持が大事だから、すごく難しいけど超えられた時は楽しいよね。
五十嵐:やっぱりそこに楽しさを感じるんだね。
石川:楽しさがある。若い時はなんとなく勝って「やった~!」だったけど、年を重ねてから1勝のうれしさや大変さが味わえるのは、長くやらせてもらえているから。やっぱり感謝だよね。
(佐藤直子 / Naoko Sato)