ダルビッシュ粘投に「ポジティブな要素」 指揮官「勝つチャンス与えてくれた」と賛辞
WBCで救援登板も…短期間の先発調整で奮闘
■Dバックス 8ー6 パドレス(日本時間5日・サンディエゴ)
パドレスのダルビッシュ有投手が4日(日本時間5日)、本拠地サンディエゴでのダイヤモンドバックス戦に今季初登板初先発し、5回を投げて3安打1失点、3奪三振、6四死球の成績だった。勝利投手の権利を持って降板したが、救援投手が逆転を許して今季初勝利はお預けとなった。チームは6-8で敗れた。
ダルビッシュの粘投も、チームの勝利にはつながらなかった。初回先頭から二塁打を許すなど、毎回走者を背負う苦しい投球。2回には3連続四球から2死一、二塁のピンチを招いたが、9番ヘレラを空振り三振に仕留めてピンチを脱出。先頭打者に出塁を許した3、4回も注文通りの併殺打などで失点を許さず「思い通りにいったところもあった」と納得した。
5回に犠飛で失点を許したが、91球でこの回を投げ切り勝利投手の権利を持って降板。救援陣が8回に逆転を許して今季初勝利は消滅したが「いろんな不安要素がありましたけど、試合直前になったらあまり考えないようにしてましたし、その割にはそこそこ投げられた」と自身の投球に及第点を与えた。
悲願の優勝を果たした第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)には、2月中旬の宮崎合宿から参加。WBCの準々決勝と決勝では救援としてマウンドに上がるなど、先発としての調整遅れも心配された。それでもアリゾナ州のキャンプ地できっちりと調整を重ね「メカニクス的に僕の中では(良くなった)。WBCの時に投げていた94~95(マイル)とは違う指の感覚があった。まだ100%というほどではないですけど、思っていたよりは全然良かった」。開幕6戦目に調整を間に合わせ、きっちりと先発の役割を果たしてみせた。
今オフ、新たに6年契約を結んだベテラン右腕の投球に、メルビン監督も「4四球に2死球もあったが要所を締めた。リズムには乗れていなかったが、5回1失点でチームに勝つチャンスを与えてくれた。長期間、球数が少なかったことを考えれば見事だったし、彼は困難な状況を跳ね返す力のある」と称賛を惜しまず。ダルビッシュ自身も「球のムーブメントを見る限りでは、たくさんポジティブな要素というのがあった。これから体がもっと強くなってくれば、もっと楽しみかなと思う。今日に関しては、僕はポジティブにぐっすり眠れると思う」。長いシーズンを見据え、前向きな言葉を並べた。
(Full-Count編集部)