“3つの約束”で部員急増 選手が25人から100人超に…保護者の指摘で迎えた転機

多賀少年野球クラブ・辻正人監督【写真:橋本健吾】
多賀少年野球クラブ・辻正人監督【写真:橋本健吾】

3度全国V…多賀少年野球クラブはアンケートの回答を契機に指導方針見直し

 楽しみながらうまくなる指導方針を掲げる滋賀・多賀少年野球クラブには、園児から小学6年生まで100人以上が所属している。3度の日本一を果たすなど全国大会の常連だが、部員が急増したのは5年ほど前から。保護者に誓った3つの約束がきっかけだった。

 多賀少年野球クラブは10年ほど前まで毎年、部員が25人前後だった。ところが、怒声罵声を禁止する指導に転換してから入部希望者が増え始め、最近5年くらいで一気に増加。現在は100人を超えている。

 辻監督は3日に開催された野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」の会員向けイベントで、5年前に大きな転機があったと明かした。全国大会の1回戦で敗退した後、保護者に無記名でアンケートを取った。その中に、胸に突き刺さる内容があったという。「試合中は笑顔で子どもたちと接していますが、練習からもっと楽しくできないのですか」。この言葉を受け、辻監督は保護者を集めて3つの約束を打ち出した。

「選手にストレスを与えず元気にします。保護者も元気にします。指導者も元気になります。ストレスのないチームにします」

 指導に熱が入って大きな声を出してしまう時があった。反省を繰り返していた辻監督は「毎週月曜日になると、日曜の練習で子どもたちに言い過ぎたとブルーになっていました。いくら指導でも大きな声を出せば、子どもたちには圧力になってしまいます」と振り返る。

笑顔を見せたら「なめられると…鎧を着ていたような感じでした」

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