渡辺俊介の息子が明かす苦悩「プレッシャーはある」 同じサブマリン…寄せられる期待
東大2年の渡辺向輝がリーグ戦デビュー、早大相手に2回を2失点
元ロッテでアンダースロー右腕として活躍した渡辺俊介氏(現・日本製鉄かずさマジック監督)の長男・向輝投手(2年)が16日、東京六大学春季リーグ戦の早大1回戦でリーグ戦初登板を果たした。東大の2番手として2回を投げ、2安打2失点で降板したが、父を彷彿させるサブマリンを披露。試合後には、2世投手として「プレッシャーもある」と偽らざる本音も明かした。
渡辺は、登板した6回こそ遊ゴロと2つの内野フライで3者凡退に抑えたが、7回に捕まった。2死三塁から6番・野村健太内野手に左二塁打を浴び1点を失うと、さらに7番・小澤周平内野手の中前適時打で2点目を献上した。「こんな大舞台の中で投げたことがなくて、緊張とかもあった。これほど高いレベルの相手に投げたことがなくて、課題が見つかった」と反省した。
父・俊介氏はロッテでNPB通算87勝を挙げ、2006年、2009年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では野球日本代表「侍ジャパン」の一員として世界一に貢献した。渡辺もこの日、父と同じ地面スレスレから投げ込むフォームを披露。昨秋のフレッシュトーナメントで登板したときと比較しても、より腕が下がっている。「(父のフォームを)あまり意識してはいません」としつつも「打者からの見にくさを意識した結果、腕が下がりました」と明かす。
偉大な父を持ち、世間からは「渡辺俊介氏の息子」として見られる。渡辺は「自分の実力がいたらないところが多いので。期待されてしまっている分、結果で返さなければいけないというプレッシャーはある」と漏らす。
一方、その初登板を反対ベンチから見つめていたのが、ロッテ時代に渡辺俊介氏とチームメートだった早大・小宮山悟監督だ。「父親の心境。マリンスタジアムのでっかい湯船につかっていた子どもが……何とも言えない。これから経験を積めばエースになるので、今のうちに点を取っておこうと」と相手チームながら感慨深く、嬉しそうに話していた。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)