バウアー登板に超異例の大観衆「過去に記憶ない」 常連ファン驚愕…2軍戦に長蛇の列

サイ・ヤング賞右腕とバッテリーを組む捕手は

 バウアーはスタンドからの歓声に応えて、4回4安打6奪三振、無四死球無失点の快投を演じた。最速156キロを計測し、ツーシーム、カットボール、チェンジアップ、スライダー、カーブと多彩な変化球も駆使。初回2死から相手の4番・陽川尚将内野手を空振り三振に仕留めると、メジャー時代からおなじみの“刀パフォーマンス”(刀を腰の鞘に収めるジェスチャー)を披露した。吉野さんは「変化球が凄いと思いました。サイ・ヤング賞の経験者らしい風格がありましたし、パフォーマンスも見られてよかった」と満足そうにうなずき「早く1軍でも見たい。誰とバッテリーを組むのだろう?」と昇格後に思いを馳せた。

 この日は5年目・25歳の益子京右捕手がマスクをかぶったが、1軍には、戸柱恭孝、伊藤光、山本祐大の3捕手が登録されている。抜群の制球力と多彩な変化球の持ち主だけに、捕手のリードによって結果が変わってくる可能性もある。

 この日は外野芝生席こそは開放されなかったが、ネット裏を含めて内野席はぎっしりと埋まり、最上段には立ち見するファンもいた。球団関係者は「2000年代、当時巨人の清原和博氏が故障明けにここで2軍戦に出場した時には、外野席も開放し、観客は4000人を超えたと記憶しています」と証言するが、吉野さんは「私も外野席が開放されたのを見たことがありますが、今日のように試合の何時間も前からチケットを求めて長蛇の列ができるというのは、過去に記憶がありません」と話す。数日前からバウアーの初登板の可能性が報じられていたこともあって、出足は非常に早かったようだ。

 バウアーは1軍昇格について「チームと相談するが、球数、イニングを増やしてからになると思う」と慎重で、2軍でのフィーバーはもうしばらく続くかもしれない。また、この日は横浜スタジアムで行われた1軍の阪神戦にも、今季最多(3万3144人=9日・中日戦)に迫る3万3135人が詰めかけていた。サイ・ヤング賞右腕の存在が、リーグ2位タイにつける1軍と相乗効果を生めば何よりだ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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