三嶋一輝から福敬登へ…ボールに記した「きっと大丈夫」 同じ難病克服へ込めた思い
「毎日いろいろ考えちゃいますよ」本音も…「今、凄く楽しいし幸せ」
これまで、同じ病から完全復活を遂げたプロ野球選手はいなかった。だからこそ、1年間投げ続けることに強いこだわりを見せる。「今年1年というのは、僕のやることを色々な人が見てくれている。復帰して投げている選手はもちろんいたんですけど、第一線で戦っている人が今までいなかったのは事実。何とか頑張りたいなと思います」と言葉を紡いだ。
「『三嶋さんは難病だから弱ってる』と思われたら……選手もそうだし、監督やコーチに気を遣われたらこの世界ダメ。そこは本当に元気にやっています。でも毎日いろいろ考えちゃいますよ。あの時の自分の体の記憶は残っていますから」と本音も漏らす。それでも三嶋の表情は晴れやかで、投げられる喜びに満ち溢れているように見える。
「やることがいっぱいあるし、練習できる。今、凄く楽しいし幸せなんです」
三嶋にとってプロ11年目、33歳のシーズンは特別な1年となる。“完全復活”へ――。新たな道を切り拓く右腕も、「きっと大丈夫」だ。
○著者プロフィール
町田利衣(まちだ・りえ)
東京都生まれ。慶大を卒業後、スポーツニッポン新聞社に入社。2011年から北海道総局で日本ハムを担当。2014年から東京本社スポーツ部でヤクルト、ロッテ、DeNAなどを担当。2021年10月からFull-Count編集部に所属。
(町田利衣 / Rie Machida)