捕手は「試合に勝たないと評価されない」 DeNA進撃の裏にある“根性”を生む正体
27日巨人戦では伊藤が逆転の口火を切る二塁打
■DeNA 7ー6 ヤクルト(27日・横浜)
セ・リーグ首位のDeNAは27日、本拠地・横浜スタジアムで行われたヤクルト戦で0-4の劣勢から猛追、延長10回の末7-6のサヨナラ勝ちを収めた。逆転劇の口火を切ったのは、6回先頭で左中間二塁打を放った伊藤光捕手。前日(26日)には戸柱恭孝捕手が値千金の決勝3ランを打ったばかりで、今季打率4割の山本祐大捕手を含め、三つ巴の正捕手争いが熱い。(記録は27日現在)
その瞬間、ベンチとスタンドの空気が変わった。4点ビハインドの6回、先頭で打席に立った伊藤はカウント2-1から4球目の真ん中高めのストレートを一閃。打球は右翼線ぎりぎりの微妙な位置で跳ねた。フェアなら二塁打コースだったが、判定はファウル。三浦大輔監督がすかさずリプレー検証をリクエストするも、判定は覆らなかった。
こういう惜しい当たりの後、気持ちを切り替えて結果を出すのは決して簡単なことではない。それでも伊藤は、直後の5球目の外角低めのカーブに食らいつき、左中間へ二塁打を放つ。二塁に到達すると感極まり、二塁ベースへ向かって右手の拳を振り下ろし、強烈なパンチを突き立てた。
三浦監督は「根性で打ったツーベース。光のセカンドベース上でのしぐさを見てもわかるように、めちゃくちゃ気合が入っていたと思います」と絶賛。伊藤自身も「1球1打に人生を懸けていますから。まだまだ諦めていないぞ、というところで、先頭だったので何とか出塁したかった」とうなずき、三浦監督の言葉を伝え聞くと、「そうっすね、根性っすね」と口元を綻ばせた。
伊藤の一打をきっかけに1死一、二塁とし、4試合連続でスタメンを外れていた宮崎敏郎内野手が代打で登場して、バットを折られながら左前適時打を見舞う。大田泰示外野手も左前適時打で続き、仕上げは4番・牧秀悟内野手が左翼席中段へ逆転3号3ラン。この回一挙5得点で試合をひっくり返した。