「これくらいは大丈夫」でチーム“崩壊” 女子高校日本一監督が実感…押しつけの限界
神戸弘陵女子野球部で黄金時代を築く石原康司監督
女子高校野球で圧倒的な強さを誇る神戸弘陵(兵庫)は、今春の「第24回全国高校女子硬式野球選抜大会」で4年ぶり3度目の優勝を果たした。創部から指揮を執る石原康司監督は「時代とともに指導にも変化は必要」と語る。
神戸弘陵女子野球部は春3度、夏2度全国優勝を経験しているほか、ユース大会などを含めると10度の日本一を誇る。石原監督は1993年から2013年まで同校男子野球部を指導。2014年に女子野球部の監督に就任した。
第1期生は全国から31人が集結。「3年で日本一」を目標にスタートした。男子に比べ体力などで劣ることは理解していたが、厳しい練習を課したという。「何としても選手に報いてあげたい。その気持ちしかなかった。走らせたし、ノックもガンガンした」と振り返る。
それでも、練習量は男子を指揮していた当時の「半分ぐらい」だったという。ところが、2年目に故障者が続出し、試合を行うどころではない状況に陥った。「これくらいは大丈夫」との思いで指導を続けていたが、現実を知ることになった
「勝ちたい、何とかしたい。その思いだけで、選手のことを考えていなかった。このままではダメだと気付きました。そこが私のターニングポイントでした」