プロ注目の明大・村田が完封で今季初勝利 援護が1点でも「楽でした」と語ったワケ

法大に完封勝利した明大・村田賢一【写真:加治屋友輝】
法大に完封勝利した明大・村田賢一【写真:加治屋友輝】

今季過去3度の先発で22イニング投げ、援護はわずか1点だった

 明大は1日、東京六大学春季リーグの法大2回戦に3-0で勝ち、勝ち点を3として単独首位に立った。プロ注目右腕の先発、村田賢一投手(4年)が9回117球5安打無失点で完封し、今季初白星を挙げた。プロ顔負けの制球力と投球術を披露し、法大の最速157キロの剛腕・篠木健太郎投手(3年)との息詰まる投げ合いを制した。

 明大は初回、篠木を攻めて1死二塁とし、3番・宗山塁内野手(3年)が低めのフォークをしぶとく右前へ運んで先制。この1点は、村田に今季初めてもたらされた先制点だった。と言うのも、村田は試合前の段階で3試合に先発していたが(他にリリーフで1試合=打者1人に登板)、計22イニングで味方打線からの援護点はわずか1点。4月8日の東大1回戦では7回無失点に抑えるも、味方の援護もなく白星は付かず。同22日の慶大1回戦では9回1安打完封しながら、0-0の引き分けに終わっていた。

 この日も2回以降は、立ち直った篠木と双方譲らぬ投手戦を展開したが、村田自身は「これまで22イニング投げて全く援護点がなかったので、それに比べれば、1-0は多少楽でした」とジョークまじりに言って笑わせた。

 豪速球を投げ込む篠木とは対照的に、140キロ後半のストレート、カーブ、スライダー、カットボール、フォーク、シンカー、チェンジアップ、ツーシームと8種類もの球種を駆使。ストライクゾーンから微妙に出し入れできる抜群のコントロールが持ち味だ。篠木降板後の9回の攻撃では、法大2番手の塙雄裕投手(4年)から、相棒の小島大河捕手(2年)が適時二塁打、村田自身も左犠飛を放って2点を追加し、勝利を引き寄せた。

 これで村田の今季防御率は、リーグ2位の0.87に。ちなみにトップは、2勝1敗の篠木で0.60だ。村田は「篠木は球が速くて、自分も投手として憧れるところがあります。しかし、必ずしも球速が速ければ打者を打ち取れるというものではない。自分の場合は球を微妙に動かし、コントロールし、緩急もつけて打ち取ることが重要だと思っています」と矜持を示し、「今後も彼に勝ち続けられればと思います」と言い切った。“名勝負数え歌”は、プロに入った後も続いていくのかもしれない。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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