大谷翔平、MVPに向け好発進 勝利貢献「WAR」でメジャー2位、CY賞との“2冠”も視野
MVP争いで話題となる勝利貢献度「WAR」でも上位に
エンゼルスの大谷翔平投手は、メジャー6年目で最高の開幕ダッシュを決めたと言えるだろう。4月30日(日本時間5月1日)のブルワーズ戦まで、投手としては4勝0敗、打者としては7本塁打を記録している。では、MVP争いが佳境に入ると注目される数字「WAR」ではどうなのだろうか。
「WAR」はどれだけチームの勝利に貢献したかを可視化する数字で「勝利貢献度」とも表現される。米国のデータサイト「ベースボール・リファレンス」が算出したものでは、大谷はここまでメジャー全体で2位となる2.1。ここまで5勝0敗で、トップのゲリット・コール投手(ヤンキース)の2.3を追う立場だ。
ただ、野手のトップはマット・チャップマン内野手(ブルージェイズ)の2.0で4位。大谷はこれを上回っている。MVPの投票にあたり、WARの数値を参考にするとしている記者もおり、MVPレースでも順調なスタートを切ったと言えそうだ。
WARはこれからの活躍に応じて増減していく。昨季の大谷のWARは9.6。15勝9敗、防御率2.33の成績を残した投手として6.1、34本塁打した打者として3.5と算出された。シーズン62本塁打し、ア・リーグのMVPに輝いたアーロン・ジャッジ外野手(ヤンキース)は規格外の10.6を叩き出した。
大谷は、2021年には46本塁打を記録してア・リーグの本塁打王を争い注目された。そして昨季は、投手としての成績を大きく伸ばした。今季も圧倒的な投球を続けており、ここまで6試合に投げて防御率1.85。34回を投げ46三振を奪っている。さらに被打率は.102という驚異的な低さだ。投手として最高の栄誉、サイ・ヤング賞も十分視野に入る。
守備の貢献がない指名打者は自動的に減点されるなど、大谷のような二刀流の選手を評価するにはふさわしくないという声もある指標だが、投手と野手の成績を一元化して比べられる利点もある。大谷は今季、どこまで数字を伸ばしてくるだろうか。
(Full-Count編集部)