3年目で覚醒…衝撃数値の阪神右腕、活躍目立った好打者 セイバー目線の3、4月セMVP

阪神・村上頌樹は25回を投げて無失点…開幕から37人連続アウト

 投手評価には、平均的な投手に比べてどれだけ失点を防いだかを示す指標「RSAA」を用いる。セ・リーグ投手のRSAAランキングは以下の通り。

村上頌樹(阪神)RSAA8.33、登板4、イニング25、防御率0.00、WHIP0.24、奪三振率8.28、奪空振率11.8%、HQS率100%
今永昇太(DeNA)RSAA5.27、登板2、イニング15、防御率0.00、WHIP0.67、奪三振率10.80、奪空振率15.3%、HQS率100%
九里亜蓮(広島)RSAA4.93、登板4、イニング26回1/3、防御率0.68、WHIP0.99、奪三振率7.18、奪空振率9.0%、HQS率75%
東克樹(DeNA)RSAA4.39、登板4、イニング28、防御率0.64、WHIP0.57、奪三振率6.11、奪空振率9.1%、HQS率50%
小川泰弘(ヤクルト)RSAA4.03、登板5、イニング30、防御率1.80、WHIP0.73、奪三振率6.90、奪空振率11.5%、HQS率20%

 上記のランキングに掲載されていないチームのRSAA上位の選手は以下の通り。

R・マルティネス(中日)RSAA3.77、登板8、イニング8、防御率0.00、WHIP0.25、奪三振率12.38、奪空振率20.8%

戸郷翔征(巨人)RSAA3.07、登板4、イニング26回2/3、防御率2.03、WHIP1.05、奪三振率6.08、奪空振率6.9%、HQS率50%

 最もインパクトを与えた投手といえば村上頌樹だろう。今季初先発となる4月12日の巨人戦では7回まで打者21人をパーフェクトの快投。22日の中日戦では5回一死まで出塁を許さず、2試合にまたがって11回1/3をパーフェクトに抑えた形となった。救援した今季初登板の1日DeNA戦での投球も加味すると37人連続でアウトにしたことになる。

 村上のストレートはドラフト指名時からその回転数が話題となっていた。今季はそのストレートを勝負球として活用し、結果を残している。以上のことから3、4月の月間MVPに村上を推薦する。

鳥越規央 プロフィール
統計学者/江戸川大学客員教授
「セイバーメトリクス」(※野球等において、選手データを統計学的見地から客観的に分析し、評価や戦略を立てる際に活用する分析方法)の日本での第一人者。野球の他にも、サッカー、ゴルフなどスポーツ統計学全般の研究を行なっている。また、テレビ番組の監修などエンターテインメント業界でも活躍。JAPAN MENSAの会員。近著に『統計学が見つけた野球の真理』(講談社ブルーバックス)『世の中は奇跡であふれている』(WAVE出版)がある。

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