韓国選手と大谷翔平の間に「天と地ほどの差」 消えた多くの有望株…真の問題点を指摘
若い世代には160キロを投げる投手が登場…問題はプロ野球の育成力?
3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で韓国代表は、3大会連続の1次ラウンド敗退に終わった。注目の日韓戦にも4-13で大敗し、代表の弱体化を招いた様々な問題点が指摘されている。そのうちの1つが「韓国の投手は、日本などの外国と比べて球速が足りない」というものだった。
ただその後、韓国プロ野球では史上初めて160キロを投げる投手が出現。昨夏のU-18W杯で、日本代表を苦しめたキム・ソヒョン投手は、プロ初登板で158キロを投げるという衝撃デビューを飾った。現在プロにいる選手の球速は足りないかもしれないが、アマチュア選手を含めたその下の世代では、世界と同じく“球速革命”が進んでいるという指摘がある。
韓国誌「週刊朝鮮」はこの現象を紹介した上で「大谷に勝った選手たちはどこへ」とさらなる問題提起をしている。キム・ソヒョンら剛速球投手の登場を紹介した上で「ここまで見れば、韓国野球にはバラ色の未来が広がっているように見える。しかし本当の問題はここからだ。ある代理人は『アマチュア時代に名を挙げた多くの有望株が、なぜプロ入り後に静かに消えるのか。平凡な選手に転落するのか振り返らなければならない』と指摘した」と伝えている。
例として挙げられたのが、2012年夏にソウルで行われた18U世界選手権だ。大谷や藤浪晋太郎(アスレチックス)、2年生にも森友哉(オリックス)がいた日本代表は、順位決定戦で韓国に敗れ6位で大会を終えた。この試合で大谷は、7回2失点で負け投手となっている。記事は「少なくとも高校レベルでは、韓国が日本を相手に対等に競争した上に勝った」としている。2017年のU-18W杯でも、韓国は3位だった日本を上回る2位だった。
ところが「大谷に勝った2012年の韓国代表メンバーで、11年が過ぎた今プロ野球でスターに成長した選手は見当たらない」という。順位決定戦で大谷に投げ勝ったイ・ゴンウクはドラフト1位でSK(現SSG)に入団したものの、プロ通算36試合で6勝14敗、防御率6.64。ほとんどの時間を2軍で過ごしている。
記事は「一方で大谷はメジャーリーグに渡り、満場一致でア・リーグMVPに選ばれるなど世界最高の選手に成長した。かつて対等だった韓国選手たちと大谷に、10年間何が起きて天と地ほどの差が開いたのか。球速革命に遅れて参加した韓国球界が解決すべき宿題だ」と結ばれている。速い球を投げる才能を、どう磨き上げていくのか。プロ野球界の育成力が問われている。
(Full-Count編集部)