大谷翔平がドッキリ大成功「本物だと思いました?」 新人記者へ見せた極上の気遣い
試合後のロッカールームでおもちゃの100万円札「本物だと思いましたか?」
■エンゼルス 5ー4 レンジャーズ(日本時間6日・アナハイム)
突然の出来事に言葉が出なかった。エンゼルスは5日(日本時間6日)の本拠地・レンジャーズ戦で今季初のサヨナラ勝ち。歓喜に沸くロッカールームでの取材中に突然話しかけられた。大谷翔平投手だった。
「おめでとうございます」
いきなり渡されたのは、封のついた100万円の札束。最初は何が起きたか分からず、動揺してキョロキョロと周りを見回してしまった。「本物だと思いました?」。ここでようやく我に返った。分厚い札束に書かれた「見本銀行券 百万円」の文字。中身は完全なメモ帳だった。ただ、両手の手汗だけは止まらなかった。
25歳の新人記者にとって、この日が初めてのメジャー取材。試合前のロッカールームで挨拶することができた。3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では直接取材する機会はほとんどなく、この日が実質初対面だった。
先輩記者に紹介してもらい、緊張しながらの挨拶。目を見ての自己紹介。名刺を差し出すと緊張が全身に走った。「よろしくお願いいたします」。3歳年下の記者に対しても丁寧な敬語だったのは覚えている。メジャーを代表するスーパースターだが、聞いていた真摯な取材対応を感じることができた。
試合では今季2度目の5打数無安打で、連続試合安打「7」で止まった。それでも個人成績をチームに持ち込まずに、ロッカールームでは新人記者へ“ドッキリ大成功”。水原一平通訳、周囲の関係者を笑わせていた。メジャー取材1日目で、まだ右も左も分からないが、なぜ世界中から愛されるのかが少し分かった気がした。