徹底する保護者との話し合い ポニーの強豪・筑後リバーズが努める野球観の共有

入部監督が徹底する入団前の話し合い「大まかな計画を伝える」

 チームが活動する福岡県みやま市は筑後地方南部に位置する人口約3万5000人の街。30年ほど前は約5万人がいたが人口流出が続いている。「少子化も進んで、選手を集めるのが難しい。毎年選手が入れ替わる中で勝てるチームになるには、勧誘活動をしっかりすることが大切ですね」。せっかく入団しても途中で辞めてしまっては意味がない。そこで入部監督は、入団を決める前に必ず、選手と家族へ説明の場を設けるという。

「こういう思いと方針を持って使っていきたい、と入団後の大まかな計画を伝えて、ご家族にもご理解をいただいてから入部してもらっています。うちは全国大会で通用するチームや選手になることを目標としているので、怪我予防を考慮しながらも、ある程度ハードな練習やトレーニングもありますから。やっぱり普通の練習では、日本一にはなれません。

 私はよく勉強を例に出しますが、東大に行きたいのであれば毎日1、2時間の勉強で足りますか。東大を目指す人は、どの高校に進めばいいのか、そのためにはどのくらい勉強すればいいのか、道筋を考えている。それはプロ野球選手を目指す人も、甲子園を目指す人も同じ。徹夜で勉強する人もいるんだから、野球で幸せを掴みたいなら、それなりの練習はしないと」

 大きな目標に向かって積む練習は、ただ単にやらされる練習とは持つ意味が違う。その大前提を理解した選手が集まっていることがチーム力の強化に繋がっているようだ。

「選手によく言うんです。『得意になっちゃいけないよ』って」

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