プロ注左腕の“就職活動”は「甘くなかった…」 早大・小宮山監督が降板させたワケ

早大・清水大成(左)と法大・尾崎完太【写真:小林靖】
早大・清水大成(左)と法大・尾崎完太【写真:小林靖】

法大・尾崎は5回で116球を要するも…3失点で勝利を引き寄せる

 法大は8日、東京六大学春季リーグの早大2回戦に9-6で打ち勝ち、1勝1敗とした。先発した尾崎完太投手(4年)と早大の清水大成投手(4年)は、いずれもプロ注目の左腕。2人とも不本意な形で降板したが、それぞれが抱える“裏事情”があった。

 法大の尾崎は、制球に苦しみながらも要所を締めた。初回、いきなり2四球で1死一、二塁とされ、打席に4番・印出太一捕手(3年)を迎える。印出には6日の1回戦で、後輩の篠木健太郎投手(3年)が同点の6回に痛恨の決勝ソロを浴びていた。しかも、2球目が暴投となり、走者二、三塁にピンチが拡大。それでも、ここから踏ん張った。カウント2-0から、3球目に内角低めのカーブで空振り、4球目にも同じ内角低めに145キロの速球を配して空振りを奪い、5球目には内角いっぱいの147キロの速球にバットを出させず、見逃し三振に切って取った。

「印出には1回戦でホームランを打たれていたので、絶対に抑えようという気持ちが前面に出たと思います」と尾崎。続く吉納翼外野手(3年)には四球を与え、2死満塁とされるも、6番の長距離砲・野村健太内野手(4年)を見送り三振に仕留め、結局無失点でこの回を乗り切った。

 8-0と大量リードして迎えた5回には、中村将希外野手(4年)に左翼席へ2ランを浴び、味方のエラーをきっかけにもう1点を失うと、この回限りでマウンドを降りた。5回で116球を要し、9三振を奪うも、4安打5四球3失点(自責2)。加藤重雄監督は「3点を取られたから代えたのではない。試合途中にこれはいけると思い、明日も勝って勝ち点を取るために、尾崎を早めに降ろして明日の準備をさせました」と明かした。

甲子園V投手の早大・清水大…春は出遅れたものの「就職活動」の登板

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