プロ注左腕の“就職活動”は「甘くなかった…」 早大・小宮山監督が降板させたワケ
甲子園V投手の早大・清水大…春は出遅れたものの「就職活動」の登板
法大は今季、すでに明大に連敗して勝ち点を落としており、早大との初戦にも敗れていた。優勝を狙うにはもう後がなく、なんとしても早大から2勝して勝ち点を取りたい事情があった。尾崎も加藤監督の意向に、「治療して張りを取って、気持ちをつくって、明日も勝ちます」と頼もしく請け合った。
一方、早大の清水大は大阪・履正社高3年の2019年に、エースとして夏の甲子園でチームを全国制覇に導き、早大進学後は昨季まで通算7試合2勝1敗、防御率1.88。しかし今季は、これが初登板だった。初回から法大打線につかまり、4回を7安打1四球、3失点で降板した。
小宮山悟監督は「(清水大は)春季キャンプでちょっと具合が良くなくて、しばらく練習からも外れ、思いのほか(復帰に)時間がかかった」と明かし、「リーグ戦も後半になってしまった。彼としては準備不足だったかもしれないが、彼は(プロや社会人で)野球を継続したいという思いでいるので、なかなかアピールする場がない中で、就職活動のつもりで投げられる姿を見せなきゃいけない登板だったが……。そんなに甘くなかった」と語った。
早大は今季開幕から5戦5勝だったが、快進撃がストップ。小宮山監督は「法政もいい選手がそろっているので、そう簡単に抑えられるわけがない。明日が大一番になる」と3回戦へ気持ちを切り替えた。両左腕の次回登板を、楽しみに待ちたい。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)