手術に戦力外…野球が「苦しい」 西武・粟津凱士、再起の支えは“ロッカーでの時間”

西武・粟津凱士【写真:篠崎有理枝】
西武・粟津凱士【写真:篠崎有理枝】

支えになった同僚…ロッカーでのたわいもない会話で気持ちが楽に

 折れそうな心を支えたのは、チームメートの存在だった。ロッカーでたわいもない話をしているときは、怪我のことを忘れられた。お互いにライバルではあるが、声をかけて寄り添ってくれているのを感じた。そんな仲間の気持ちにも応えたいと、懸命にリハビリに励んだ。

「日によってムラがあり、投げられたり、投げられなかったり、その繰り返しでした。しっかり投げられるようになるのには1年かかりました。長かったです。調子がいいと、もっと投げたいと思いますが、そこは無理をしすぎないようにしていました」

 それでも、焦る気持ちもあった。自身に続いて、2021年には齊藤大将投手、伊藤翔投手、上間永遠投手がトミー・ジョン手術を受けたが、自分が一番先に回復していなければいけないと、常に追われているように感じた。そんな時は、トレーナーと話をしながら、自分のペースでリハビリを進めることを心掛けた。

目指す支配下「苦しさの中にある楽しさを見つけながらやってきた」

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