育成出身ルーキーが「現段階で新人王の一番手」 オリOBが惚れ込む“打席の仕掛け”
9回の第5打席でソフトバンクの守護神・オスナから中前打
■ソフトバンク 4ー3 オリックス(12日・京セラドーム)
オリックスは12日、本拠地で行われたソフトバンク戦に3-4で敗れた。「1番・右翼」でスタメン出場した茶野篤政外野手は4打数1安打で、連続試合安打を「13」に伸ばした。開幕から奮闘する育成出身ルーキーを、昨年限りで現役を引退した野球解説者の坂口智隆氏は「野手のなかでは現段階で新人王の一番手」と、太鼓判を押す。
この日、茶野は1点を追う9回の先頭で迎えた第5打席で守護神・オスナの149キロの直球を弾き返し、中前打を放った。これで4月28日のロッテ戦から13試合連続安打と好調をキープ。坂口氏は「追い込まれてから高めの直球に振り負けなかった。逆方向ではなくセンターへ弾き返した。バットの扱いの上手さを感じる」と賛辞を送った。
茶野はオープン戦で結果を残しシーズン直前に支配下登録。そのままの勢いで開幕スタメンを勝ち取ると、ここまで全34試合に出場して打率.305、8打点4盗塁。主に1番打者としてリーグ3連覇、連続日本一を狙うチームを牽引している。
勢いに乗る“育成ドラ4”を、坂口氏は「技術がないとヒットは生まれない」と、その実力を高く評価している。初めて経験する1軍で結果を残せる理由をこう語る。
「茶野選手はバットのヘッドが投手に入り、二段ヒッチ気味に上げる。これは賛否あるのですが、タイミングが崩されることはない。打つ瞬間に手を引きトップに入り切るタイプ。ヘッドの戻りを利用してボールのラインに入るから詰まっても打てる。バットの先から根っこまで全て使える打者。詰まろうが体のリズムに合っているから、押し負けない」