群を抜く層の厚さ 85年ぶり3連覇…明大に現れた日替わりヒーロー「全員が成長」

優勝を決め喜ぶ明大ナイン【写真:小林靖】
優勝を決め喜ぶ明大ナイン【写真:小林靖】

次週は立大戦…主将の上田「完全優勝を目指して頑張りたい」

 明大は14日、神宮球場で行われた東京六大学野球春季リーグ戦の早大2回戦に6-3で勝利し、3季連続となる通算43回目の優勝を決めた。戦後初の3連覇に、田中武宏監督は「全員で成長できました」と喜びを語った。

 初回に4番・上田希由翔内野手(4年)、5番・杉崎成内野手(3年)の連続タイムリーで3点を先制。途中、1点差に詰め寄られるも、8回に小島大河捕手(2年)が右越え2ランを放って突き放した。

 9回に登板した蒔田稔投手(4年)が最後の打者を遊ゴロに打ち取ると、スタンドから大歓声とともに紫紺の紙テープが舞った。明大の3連覇は1937年春から1938年秋に4連覇を果たして以来で、戦後では初の快挙となる。田中監督は「早大から勝ち点を取ることを目標にしていたので、ホッとしています。シーズン当初は打線が低調でしたが、全員でちょっとずつ成長することができました」と振り返った。

 早大に2連勝することが今週優勝するための条件だったが、日替わりヒーローが生まれる層の厚さでその条件を達成した。13日の1回戦では今井英寿外野手(2年)がリーグ戦初本塁打を含む4安打4打点。この日は杉崎が3安打3打点と、初めてスタメン起用された選手たちが次々と活躍した。

 杉崎は優勝がかかる試合でも、「ゲームを楽しもうという気持ちの方が強かった。つなぐ意識で打席に入りました」。まさしく、主将・上田を中心としたチーム全員で勝ち取った頂点だ。

 とはいえ、まだ翌週には立大戦が残っている。「次の目標は、立教さんから勝ち点を取ること」と田中監督。上田も「完全優勝を目指して頑張りたい」と力を込めた。3連覇の快挙に浮かれることなく、チームは目の前にある次の標的を見据えていた。

(高橋幸司 / Koji Takahashi)

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