驚異の奪三振率「11.85」 TJ手術から復活…ロッテ種市、好調呼んだ“モデルチェンジ”

ロッテ・種市篤暉【写真:荒川祐史】
ロッテ・種市篤暉【写真:荒川祐史】

2020年に右肘を痛めてTJ手術、昨季実戦復帰して今季は先発の一角へ

 ロッテの種市篤暉投手が、3年ぶりに開幕ローテーション入りを果たして好投を続けている。将来を嘱望されていた24歳の剛腕がこのままトミー・ジョン(TJ)手術からの完全復活を果たせば、チームにとっても大きなプラスとなるだろう。今回は種市の球歴に加えて各種の指標、結果球の割合、故障前と現在の変化について紹介。具体的なデータをもとに、投手としての持ち味と魅力に迫っていきたい。(成績は5月10日の試合終了時点)

 種市は八戸工大一高から、2016年ドラフト6位でロッテに入団。プロ2年目の2018年に1軍デビューを果たして7試合に先発。防御率6.10で未勝利も、20歳の若さで貴重な経験を積んだ。2019年にはリリーフとして開幕1軍入りを果たすと、8試合に登板して防御率1.39と素晴らしい投球を披露。活躍が認められて4月29日にシーズン初先発のチャンスを掴み、5回2失点で待望のプロ初勝利を挙げた。

 その後は先発ローテーションの一角に加わり、17試合の先発で8勝。114イニングで135奪三振を記録しただけでなく、当時の日本人投手タイ記録となる23イニング連続奪三振を達成した。2020年は開幕から絶好調で、7月25日の西武戦ではプロ初完封。7月終了時点で防御率2.20も、8月1日の登板で肘を痛めてトミー・ジョン手術を受けることに。そこから1年半以上にわたって、マウンドから遠ざかることを余儀なくされた。

 長きに渡るリハビリを乗り越え、2022年に実戦復帰を果たす。同年の1軍登板は1試合にとどまったが、2023年は開幕から先発陣の一角として好投した。4月9日の楽天戦で988日ぶりとなる白星を掴むと、その後も安定した投球を継続。5月9日の試合では今季最長の7回を投じるなど、着実に完全復活へのステップを刻んでいる。

課題の制球面も向上…今季は2試合続けて無四球試合も

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