なめていたプロ野球「何なん、この人たち」 忘れられぬドラ1の“2階から降る超魔球”

1年目の途中に米留学「行ったら楽しくて…」

 住む世界が違うくらいの差を感じるとともに、自分を納得させるようにこう考えた。「もうこうなったら、契約してもらえる間は、自分なりに一生懸命やるしかない。たぶん3年くらいかな。それで田舎に帰って、就職しよう」。練習が嫌いなわけではなかった。「バッティングを追求していくことに関しては苦痛ではなかったですからね」。同期で同い年の前田智徳外野手が1軍レベルだったことも刺激になった。負けられないとの思いも重ねて精進した。

 プロ1年目の6月、前田氏が1軍デビューを果たした後に、浅井氏は、前間卓投手、佐藤裕幸内野手、千代丸亮彦内野手、水沢英樹投手とともに野球留学で米国に旅立った。阿部慶二2軍守備走塁コーチも同行し、引率は鈴木清明営業企画課長(現、球団本部長)だった。「ルーキーリーグで、当時のモントリオール・エクスポズのチームだったんですけど、7月、8月で70試合くらいあったかな。いい経験でした。最初は嫌だったけど、行ったら楽しくて、視野が広がりましたね」。

 次につながる米国生活だった。もしかしたらプロの凄さにくじけそうになった時の留学はタイミング的にも良かったのかもしれない。「そういった意味でも僕は恵まれた環境でやらせてもらったと思います」。浅井氏のプロでの戦いはここから本格化していった。

(山口真司 / Shinji Yamaguchi)

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