スカウトが「空振りでおっと思った」 出遅れた法大プロ注目スラッガーの“凄み”
高校時代からプロ注目も…入学後は怪我の連続
加藤重雄監督も「普段から振りはいいが、怪我が多くて、今日の日を迎えるのが遅れた。本来なら開幕からスタメンで出られる選手。『もう怪我をするなよ』と言いました」と感慨深げにうなずく。
日大藤沢高時代は通算29本塁打を誇り、チームメートでソフトバンクに2020年ドラフト3位で入団した牧原巧汰捕手とともに、プロ野球のスカウトからも熱視線を浴びていた。しかし法大進学後は、1年生の時に右ハムストリングを2度にわたって肉離れ。リーグ戦デビューと即レギュラー獲りを期待されていた今年も、2月上旬の練習中に右手有鈎骨を折り、大幅に出遅れていた。
DeNAの欠端光則アマスカウトは「高校時代の担当スカウトから、名前を聞いたことがあります。難しい球をうまく打ちましたね。印象に残る一発です」と語る。広島の苑田聡彦球団本部スカウト統括部長は「ホームランも良かったけれど、第1打席の空振り三振の時、スイングの鋭さに『おっ』と思いましたよ」と明かした。
「秋には、投手をもっと楽に勝たせてあげられるように盛り上げていきたい」と意欲を新たにした姫木。六大学デビューは想定より遅れたが、再びプロが追いかける存在となるには十分な時間が、姫木には残されている。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)