痛烈ライナー直撃も「痛みは感じなかった」 DeNA10年目右腕が古巣に果たした“恩返し”

今季3勝目を挙げたDeNA・平良拳太郎【写真:中戸川知世】
今季3勝目を挙げたDeNA・平良拳太郎【写真:中戸川知世】

10年目のDeNA平良が古巣の東京ドームで初勝利

■DeNA 6ー3 巨人(23日・東京ドーム)

 万感の“元本拠地”初勝利だ。DeNAの平良拳太郎投手は23日の巨人戦(東京ドーム)に先発して7回4安打無失点に抑え、今季3勝目(1敗)を挙げた。2013年ドラフト5位で沖縄・北山(ほくざん)高から巨人に入団し、2016年オフに山口俊投手のFA移籍に伴う人的補償としてDeNAに移籍。プロ10年目で東京ドーム初勝利となった。

 前途多難を思わせる立ち上がりだった。初回1死から、2番・丸佳浩外野手が放った痛烈なライナーが右肩付近を直撃。転がった打球を宮崎敏郎内野手が処理し三ゴロに収めたが、平良はただならぬ雰囲気の中、治療のためにいったんベンチ裏へ下がった。

 ところが、「アドレナリンが出ていたのか、意外と痛みはありませんでした。それどころか、試しにベンチ裏のブルペンで投げてみたら、今日一番の球が行きました。マウンドに戻ってからも、あそこからいい力加減で投げることができました」と振り返る。

 一昨年6月に右肘のトミー・ジョン手術を受け、昨年は1軍登板なし。開幕ローテ入りを果たした今季は2連勝の後、4月27日のヤクルト戦で5回4失点、今月14日の阪神戦でも4回途中6失点KOを喫し、そこから中8日のインターバルを空けた。「開幕から2試合は高めで三振を多く取れたのですが、もう1度、自分の投球の生命線は何かと考え、低めに強い球があってこその高めだと思い直しました」と言う。

 低めに威力のあるストレートが決まれば、高めの球だけでなく、落ちる変化球の効果も増す。ラストイニングとなった5点リードの7回には、先頭の秋広優人内野手に右前打されるも、続くアダム・ウォーカー外野手をインローのシンカーで空振り三振。続く門脇誠内野手も外角低めの142キロのストレートで空振り三振。山瀬慎之助捕手には外角低めのスライダーを振らせて、3者連続三振で締めた。

2016年に東京Dでプロ初登板「ここで勝つことを目標にやってきた」

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