痛烈ライナー直撃も「痛みは感じなかった」 DeNA10年目右腕が古巣に果たした“恩返し”

2016年に東京Dでプロ初登板「ここで勝つことを目標にやってきた」

 投球数は今季最多の108。プロ初完封や初の完投勝利(2020年に1完投も敗戦)を狙える内容だったが、大手術を経た経緯もある。三浦大輔監督は「7回に力を出し切った感じでしたし、先発として十分な働きをしてくれました」と称え、平良本人も「交代と言われるまで自分の投球をすることが仕事だと思っています。疲労感は大丈夫でしたが、今後続けていくことが一番大事だと思います」と次回以降の登板へ視線を向けた。

 巨人在籍中、唯一の1軍登板が2016年4月7日の阪神戦(東京ドーム)での先発で、4回途中4失点で敗戦投手となった。DeNA移籍後は、昨年までの6年間で3試合0勝1敗。「10年前に巨人に入団した時からここで勝つことを目標にやってきました。10年かかり、チームも違いますけれど、本当に勝ててよかった。ひとつ思い出になりました」と思いを明かした。

「初登板のことは、ライトゴロを打ったことを含めて覚えています。ここで肘を壊したことも覚えています」とも。デビュー戦のプロ初打席では打球を右前へ運んだが、前進守備を敷いていた福留孝介外野手の一塁送球に刺され、ライトゴロに終わっているのだ。DeNA移籍後の2021年3月28日の巨人戦では5回無失点に抑えながら、右肘の異常を訴え降板。トミー・ジョン手術につながった。

「ここでいい投球をすることが、ジャイアンツへの恩返しになると思いますし、ベイスターズへの恩返しにもなる。勝つことだけを考えてやっていきたいと思います」。悔しい思いの詰まった東京ドームでついに白星を勝ち取り、平良はここから野球人生の新たなステージに進むのかもしれない。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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