首位独走の岡田・阪神はなぜ負けない? 専門家が分析「信頼関係」と「6番・右翼」
日替わりの「6番・右翼」は「選手からすると大きなチャンス」
阪神は7回無死一塁から才木の送りバントを捕手・大城卓が二塁へ悪送球し一、二塁の好機を得た。ここでベンチは近本に対し犠打のサインではなく、強攻策を選択。左腕・高梨のスライダーを捉えたが、結果的に右直に倒れた。
「1点を取るには犠打の選択肢もあったが、ベンチは最低でも走者を進めてくれると託した。これは選手を信頼している証。思っていた以上に芯で捉えてしまい飛球になったが右方向へ転がす、何とかしようという意図は見えた打席。投手にしても27日の大竹、この日の才木と先発に勝ちを付けさせた。個々の選手が自分の役割を理解している」
また、新井氏はチーム内を活性化させる“チャレンジ枠”にも注目している。日替わりで起用する「6番・右翼」の存在だ。これまで岡田監督はミエセス、ドラフト1位の森下、井上(現在は2軍調整)、島田ら多くの選手を試している。若手であっても昇格即スタメンで起用する大胆さもある。
「もちろん固定できるのが一番。でも、選手からすると大きなチャンスがある。結果を残せばスタメンで使ってくれるという、2軍でのモチベーションにもなる。6番は軽視できない重要な打順。ここの“枠”を好調な選手を入れ替えながら上手く起用しているのは見事です」
30日からは交流戦がスタートする。好調だったチームが交流戦で調子を落とし、そのままズルズルと行ってしまうことも多い。だが、新井氏は「交流戦で力を落とすチーム、上げるチームは極端に出る。ただ、阪神は選手層をみても、そこまで心配する必要はない。5割で乗り切れば、このままシーズンを突っ走る可能性はある」と、“岡田阪神”の快進撃を予想している。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)