NPB経由で手にした24億円 事実上の“戦力外”も経験…元助っ人の成功導いた日ハムでの学び
元ハム守護神のマーティン「日本ではある意味1人だから、自分について学べた」
近年、一度NPBを経てメジャーで再び栄光を勝ち取る選手が増えている。昨オフにはヤクルトの守護神だったスコット・マクガフ投手がダイヤモンドバックスと2年650万ドル(約9億2000万円)の契約を結び、元阪神のロベルト・スアレス投手は2021年オフに5年4600万ドル(約64億8000万円)でパドレスと再契約した。NPBへ米国での“実績”をぶら下げて来日する選手はごくわずかで、メジャーで活躍できなかった選手が多い中、なぜ“逆輸入”が成功するケースが増えているのか。経験者に話を聞いた。
「日本から来ました」。そう伝えると、少し懐かしそうな顔を見せた気がした。2016年から2年間日本ハムでプレーしたレッドソックスのクリス・マーティン投手は、昨オフに2年総額1750万ドル(約24億6000万円)の契約を結んだ。「自信がついたことがすべてだと思う」。そう話すように、来日する前はMLBの2年間で通算40登板、防御率6.19と決して活躍していたわけではなかった。ロッキーズ時代の2015年には、メジャーで出場する前提となる40人枠を外れる措置(DFA)を受け、ヤンキースに移籍。しかし、そこでも1年でFAとなり買い手は見つからず、日本ハムと契約した。
来日当初は練習量の多さや違いに驚いた。「全部違う。ブルペンのやり方も投球プログラムも違う、強化の仕方、コンディショニング、そういったものすべてがかなり違う」。戸惑いもあった一方で、日本ハムの首脳陣は外国人選手の試合前の準備や練習を本人たちに一任していた。その中で、マーティンは自らのルーティンを築き上げていったという。
「僕は自分のルーティンに磨きをかけた。向こうではある意味1人だから、自分についても多くを学んだ。自分でいろいろと答えを見つけなければならない。自分1人でいると、自分のことを多く学ぶものだ」