「こっちが仕切っとるんじゃ」 最強PL学園の“タテ社会”に戦慄…人気も規律も規格外
西田氏の外出を許可したところ、1学年上のPL出身選手が激怒
大学3年の時は西田氏のことで、先輩に思いきり怒られたこともあった。「PL組はお誘いが多いみたいで、ある時、西田が『今日はちょっと時間をもらえませんか』って午後10時の門限を過ぎることを僕に申し入れてきたことがあったんです。謙虚にね。『どこに行くの』って聞いたら『たぶん銀座だと思います』って」。3年生にもある程度の権限が認められており、川端氏は「OK、11時半までには帰ってこい。12時を過ぎたら駄目だぞ」と許可したそうだ。
「西田は出掛ける時も僕のところに挨拶にきましたよ。学生服を着てね」。ところが、この川端氏の判断がまずかった。「4年生にPL出身の先輩がいて『西田はどうした』って聞かれたので『僕が許可を出しました』っていったら『PLはこっちが仕切っているんじゃあ』って激怒されたんです。PLはタテの世界がすごかった。西田に関しては、こっちに権限がなかったんです」。
川端氏にしてみれば、よかれと思ってしたことだったが、まさに裏目となった。「あの日は、確か木戸も同じところに出掛けていったはずですよ。木戸は僕が3年の時の部屋子だったんで、『大丈夫か、西田は時間をくれって言っているぞ』と聞いたら『大丈夫です。僕は時間通りに帰ってきますから』と言って本当に帰ってきましたからね。なんで西田はあの時、僕に許可を求めたのだろう。あいつ、覚えているかなぁ、そういうことは忘れるタイプだからなぁ……」
法大時代のPL学園出身の後輩たち。そのうち西田氏と小早川氏とは広島でもチームメートになるなど、縁もあった。「僕は大学の時、大した活躍はできなかったけど、いろいろあったよねぇ……」。川端氏はそう言って、思い出し笑い。とても懐かしそうだった。
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)