ヌートバーに生きる侍の学び イチロー氏から贈られたユニホームの“納得”の行方
ヌートバーは4月にイチロー氏とも初対面「短い時間にたくさんのことを聞いた」
曇りのない目でこの点を見ることができたのは、母・久美子さんの影響が大きい――。
日本人の精神性を秘め野球に深い敬意を持ちプレーし続けたマリナーズのレジェンドを母・久美子さんは子供だったラーズにそれとなく説いている。以来、野球愛の象徴としてラーズが羨望の眼差しを注ぐ存在となったのがイチロー氏(現マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)である。
4月21日、シアトルでの3連戦初戦を前にヌートバーは偉大なイチロー氏と初対面した。
「日本代表そしてメジャーリーグの大先輩であるイチローと対面できるなんて本当にすごいことだと思った。あの日、短い時間にたくさんのことを聞いたけど、的確に返してくれたんだ。思えば、彼との時間も侍ジャパンと一本の糸でつながっていたんだね」
イチロー氏からマリナーズのユニホームにサインをもらい、大喜びするヌートバーのニュースは日本の各メディアで拡散したが、その宝物には今、新たな気持ちが芽生えているという。
ヌートバーは無垢な気持ちを明かした。
「ママはイチローのTシャツをよく着ていたんだ。イチローを生んだ(日本の)野球が好きという証だよね。だから、僕はWBC世界一のゴールドメダル同様に、彼女にはレジェンドから頂いたあのユニホームも受け取ってもらおうと思ってるんだ」
5月29日現在、ヌートバーは安打数、打点、得点、打率、出塁率、四球、盗塁の部門でチームの上位にいる。レギュラー外野手の座を手中に収めたラーズ・ヌートバーの2023年は、日の丸を背負った侍ジャパンから始まった。
(「MLB公式サイト」ジョン・デントン / John Denton)