テレビに映された“試合中のおふざけ” 監督ブチギレ…呼び出し食らって正座で大説教
法大4年の明治神宮大会…ブルペンでの様子がTVに映し出され「あれはまずかった」
1981年11月10日、第12回明治神宮野球大会の大学の部で法大は優勝を飾った。決勝では専大を8-4で破った。元広島投手で現在は徳島・松茂町議の川端順氏は当時4年生でベンチ入りメンバー。決勝で出番はなかったが、川崎市中原区の法大野球部合宿所で行われた優勝祝賀会の前に同級生の池田親興投手(元阪神、ダイエー、ヤクルト)とともに鴨田勝雄監督に呼ばれて、監督室で大説教を食らうはめになったという。原因は試合中の“態度”だった。
試合は法大が1回表に1点を先制されたものの、その裏、大量6点を奪って逆転。中盤に2点差まで迫られたが、8回裏に2点を追加して逃げ切った。投手は先発・田中富生投手(3年)から、樽井徹投手(2年)、和田護投手(2年)へリレーしての勝利だった。川端氏はブルペンにいたが「他にもリリーフ投手がいたんでね」と出番はないと予想していたという。そんな中で思わぬ出来事があった。
「その試合はテレビ中継があったんですが、ピンチの時にブルペンが映されて、僕と池田がじゃれ合っていたんですよ。用事がないから暇だったしね。でもあれはまずかった」。優勝がかかった試合中の緊迫ムードにはほど遠い、おふざけモードの2人の姿。この“情報”が優勝した試合後に鴨田監督にも伝わった。「祝賀会が始まる前に監督室に、僕と池田の2人が呼ばれた。殴られはしなかったけど、約1時間の説教。ずーっと正座ですよ」。
その後、参加した祝賀会。3年生と4年生が優勝カップに酒を入れて飲んで大盛り上がりだったが「僕と池田だけはお通夜みたいなものだった」。事情を知らない1学年下の西田真二外野手や木戸克彦捕手は「川端さん、飲んで、飲んで」。だが、とても、そんな気分ではなかった。大学4年の最後に優勝したのに、ケチがついた。「ホンマ、あれは思い出す。後で西田らに状況を説明したら『だからですか、いつもなら2人ともガーって飲むのに』って笑いよったけどね」。