激戦区・神奈川で準優勝…相洋・高橋伸明監督の原点 今も忘れられない高校時代の“悔い”
悔いしか残らなかった自身の高3夏…母校に戻るきっかけにもなった
その結果は――。
「捉えたショートゴロ。もう、野球を辞めようと思いました」
この日から、「母校で指導者になる」と本気で考えるようになった。「やっぱり、後悔しているんですよ。高校時代のあのミスを。自分のミスがなければ、どんな展開になっていたか。今でも、あのプレーを忘れることはありません」。
なぜ、選手たちの前で、大学4年春の話をするのか。そこには、指揮官として伝えたいメッセージがあるからだ。
「引き際は自分で決めろよ。覚悟を決めて、勝負をしろよ。ベンチに入っても入らなくても、高校野球はどこかで必ず終わりを迎えるからな。そのときに、誰かに終わりを告げられるのではなく、自分で覚悟を決めること。今この瞬間に、高校野球が終わっても悔いが残らないように、日々全力を尽くせよ」
自身の高校3年夏は、悔いしか残らなかったという。ただ、その感情を味わったことが、母校に戻るきっかけになっているのも事実。だからこそ、後輩たちには悔いが残らぬように戦ってほしい。
一方で、大学4年春のショートゴロに悔いはないという。「もう、あれは自分の実力不足です。そばで長谷川や松本のことをずっと見ていたので、自分が一番わかります」。