激戦区・神奈川で準優勝…相洋・高橋伸明監督の原点 今も忘れられない高校時代の“悔い”

大学4年の春…人生を決めた1打席

 今春の大会にかぎったことではないが、相洋の選手は平凡な内野ゴロでも外野フライでも、スピードを緩めることがない。外野フライであっても、二塁まで本気で狙う姿を何度も目にした。

 もしかしたら、現役時代の悔いを選手たちに伝えているのではないか。そう問いかけてみると、「さすがにそれはないですけど、『悔いだけは残すなよ』とさまざまな形で伝えています」と教えてくれた。

「毎年6月、メンバー選考が佳境に入る時期に、必ず伝えていることがあります。これも、私にとっては忘れられないプレーなんですけど、大学4年春のリーグ戦で……」

 専修大に進学後、同級生の長谷川勇也(元ソフトバンク)、松本哲也(元巨人)らとともにレギュラーの座を掴み、4年春のリーグ戦(東都2部)では、「3番・長谷川」「4番・高橋」で中軸を組んだ。

「場所は東農大グラウンドだったはずです。接戦で迎えた終盤、2アウト一塁で打席には長谷川。その前までは、長谷川は2打席連続ホームラン。それもあってか、相手は長谷川を敬遠して、私との勝負を選んできました」

 大学生ではあるが、4番としてのプライドは当然あった。ベンチにいた監督からは「気にするな」と声をかけられたが、気にならないわけがない。

「かっこつけた言い方に聞こえるかもしれませんが、そのとき本気で思ったんです。『狙ったボールをスタンドに運べなかったら、おれはもう大学で野球を辞める』。この話を、相洋の選手に言うと、結構食いついてくるんですよ。結果が気になるじゃないですか」

悔いしか残らなかった自身の高3夏…母校に戻るきっかけにもなった

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