5月散々も…西武がセ首位・阪神に勝ち越せた理由 指揮官ニヤリ「イメージ通り」
リリーフで通算123試合登板していた宮川がプロ初先発
■西武 4ー2 阪神(1日・ベルーナドーム)
パ・リーグ5位の西武は1日、本拠地ベルーナドームでセ・リーグ首位の阪神に4-2で逆転勝ちし、このカードを2勝1敗で終えた。西武のカード勝ち越しは、4月18、19日のソフトバンク2連戦に連勝して以来、実に12カードぶり。前日の5月31日には、2年ぶりに先発した本田圭佑投手をはじめ6人、この日は4年目にしてプロ初先発した宮川哲投手ら5人の継投で連勝した。量、質ともに豊富なリリーフ陣を前面に押し出した戦術に、獅子の活路が見えた。
この日は、昨年までの3年間で中継ぎとして通算123試合のキャリアを積んできた宮川がプロ初先発。5回までに5安打4四球を許し、毎回走者を背負いながらも、3併殺などで要所を締め1失点で乗り切った。130キロ前後の“パワーカーブ”が威力を発揮。4回1死一塁で木浪聖也内野手を二ゴロ併殺に仕留めたのも、この球種だった。
松井稼頭央監督は「哲(宮川)が5回まで投げてくれたのが大きかった。あのカーブはカウントを取るのにも、決め球として空振りを取るのにも、両方に使える。自信を持って投げてもらいたい」と称賛。宮川自身は、2軍で今季6試合の先発を経験していたとはいえ、「本当に疲れました。何とか最少失点で5回を投げ切れてよかったです」とホッと胸をなでおろした。
3点リードとなった6回からは、ヘスス・ティノコ投手、平井克典投手、佐藤隼輔投手、守護神の増田達至投手が1イニングずつを担い、阪神の反撃を1点に抑えて勝ち切った。
前日も宮川同様、本来中継ぎ要員の本田が2年ぶりに先発し、4回無失点で役割を果たすと、5回は森脇亮介投手にバトンタッチ。6回以降の継投は、顔ぶれもイニングもこの日と全く同じで、完封リレーを達成している。松井監督は「前もってイメージしていた通りにいきました」と会心の笑みを浮かべた。