独立L→育成入団で“超スピード出世” オリ23歳に現実味を帯びる新人王&最多安打
史上初の「育成ドラフト指名のルーキーで開幕スタメン」
育成ドラフトで入団したオリックスのルーキー・茶野篤政外野手が、1軍の舞台で快音を連発している。2022年に四国アイランドリーグplus(IL)で首位打者を獲得した打撃センスをプロの舞台でも発揮。6月1日の広島戦(京セラドーム大阪)では、プロ初本塁打含む6打点と大暴れした。初の独立リーグ&育成出身の新人王候補の呼び声も高い。
独立リーグ出身で、プロでも活躍した選手としては、又吉克樹投手(四国IL香川-中日-ソフトバンク)や湯浅京己投手(BC富山-阪神)が顕著な例として挙げられる。しかし、野手として一定以上の出場機会を得られた選手はほんの一握り。今回は、茶野の球歴を紹介するとともに、独立リーグ出身者としてプロの舞台で活躍した野手の顔ぶれを振り返りたい。(※以下、記録は5月28日の試合終了時点)
茶野は岐阜・中京学院大中京、名古屋商科大を経て、2022年は四国ILの徳島でプレー。1年目から俊足好打の外野手として主力の座をつかみ、打率.316で首位打者を獲得。37盗塁、出塁率.418とチャンスメーカーとしての適性を示した。
2022年の育成選手ドラフト4位でオリックスに入団。オープン戦10試合で打率.273と奮闘し、3月24日には早くも支配下登録を勝ち取った。そして、3月31日の西武との開幕戦(ベルーナドーム)では「8番・右翼」で出場し、史上初の「育成ドラフト指名のルーキーで開幕スタメン」という快挙を成し遂げた。デビュー戦でプロ初打席で早速安打を放つと、第2打席では堅実に犠打を決めて同点劇につなげる働き。その後もレギュラーとして出場を続け、交流戦前の段階でリーグ8位の打率.277を記録している。
プロ入り後、対右投手が.264、対左投手が.313と、左打者ながら左投手に強く、それでいて右投手も極端に苦手とはしていない。また、ここまで5死球と死球での出塁が多い。さらに、持ち前の脚力を生かして1つ先の塁を狙える打球が増えてくれば、チャンスメーカーとしての貢献度がさらに高まるだろう。