“吹田の主婦”が生まれた理由は「2人の料理職人」 名付け親が明かすバズりの裏側
“吹田の主婦”を生んだ近藤大亮が証言する山崎颯の「甘いマスクと野球の実力」
一瞬の“ひらめき”で生まれた愛称だった。オリックスの山崎颯一郎投手は“吹田の主婦”というニックネームで、人気を急上昇させている。最速160キロ剛腕は、なぜ“吹田の主婦”と呼ばれるようになったのか――。その真相に迫った。
同僚の近藤大亮投手と、ラオウこと杉本裕太郎外野手の“イチャイチャ”が、山崎颯の愛称を生んでいた。近藤に聞けば「あれは2020年のファン感謝イベントですね。料理勝負と聞いたので、ラオウと前日に全身のコーディネートをしようと、服を買いに行ったんです」。球団イベントの衣装が“自前”というところに、モチベーションの高さを感じる。
杉本は「神戸のパティシエ」を演じるため「コックさんは帽子が大事やろ!」と準備を進めた。近藤は役作りを任されており「ラオウがコックなら……俺は和風でいくわ!」と京都の和菓子職人に“変身”。ただ、3人でステージに登場するはずが、ここで山崎颯の役割が決まっていなかった。
同学年の2人は「そーいち、どうする……?」と相談。杉本が「ユニホームで登場は面白くないから、ちょっと可哀想やなぁ」と悩みを明かすと「裸エプロンどう?」と近藤が提案。ニコニコの2人は、エプロンの購入を決めた。次に「名前、どうする? 主婦っぽい感じにしたいな」と杉本が再び頭を悩ますと「高槻か吹田やな……!」と近藤がまたも即答。レジに並んだ数分間、2人は「高槻」か「吹田」かを検討。ワイワイしながら「吹田の主婦」が誕生した。
衣装には、こだわりがある。エプロンこそ購入したものだが“吹田の主婦”が頭に巻くバンダナは「急いで実家から持ってきました」と近藤が明かす。エプロンだけでは物足りないと感じた瞬間、車のハンドルを回したのだった。そんな“ファインプレー”もあり? 見事に“吹田の主婦”は山崎颯の愛称として定着した。
SNSのトレンド入りすることも多々ある“吹田の主婦”に「いやぁ……ビックリですよね。ここまで浸透するとは思っていなかったので。バズってくれて本当にありがたいです」と“生みの親”である近藤は感謝を止めない。さらには「彼、最初は吹田のこと知らなかったですからね」と笑顔で明かす。
山崎颯は、6日時点でオールスターファン投票のパ・リーグ中継ぎ投手部門で1位に選出されている。6日から開催されている「Bsオリ姫デー2023」では、1点差の9回にクローザーとして登板。スタンドから黄色い声援が飛んだ。山崎颯の人気急上昇に一役買った近藤だが「颯一郎の甘いマスクと野球の実力のおかげですよ。どっちのポテンシャルも夢がありますから」と、主役を輝かせた。
(真柴健 / Ken Mashiba)