ネビン監督に米記者が「ハラヘッタ」 エ軍に広がる“日本文化”…大谷翔平の絶大な影響力

エ軍本拠地のエレベーター案内係は「ヨンカイ?」と聞いてくるという

 地元の番記者たちも同じだ。とある日の試合後、MLB公式サイトのレット・ボリンジャー記者と帰りが一緒になった際に、「日本のどこから来たの?」と聞かれた。茨城出身の記者は「Near Tokyo」と伝え、それから日本談議に花を咲かせた。ボリンジャー記者は来日経験はないが、「日本はご飯がとてもおいしいらしいね。(大谷が高校まで過ごした)イワテやトウキョウにも行ってみたい」と興味津々だった。

 今では、おそらく地元紙エンゼルス番記者の多くが簡単な日本語はマスターしているのではないか。こんなこともあった。米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」のサム・ブラム記者は大谷に「オハヨウゴザイマス」と日本語で挨拶。大谷から「Perfect!」と逆に英語で返されていた。ブラム記者は予定時間が過ぎても囲み取材が始まらなかったフィル・ネビン監督に「ハラヘッタ!」とこちらも流暢な日本語で“訴え”、周りの日本メディアを笑わせたこともあった。

 エンゼル・スタジアムの入場ゲートから記者席に向かう時に乗るエレベーターの案内係の1人は「ヨンカイ?」と日本語で聞いてくる。1階から4階、そして地下まで完璧にマスターしている。雰囲気はアメリカそのものだが、常に何かしら“日本の文化”が飛び交う球場に記者も少し居心地の良さと大谷の影響力の大きさを感じる。

 今オフFAになる大谷は総額6億ドル(約835億8000万円)の契約を手にするとも言われている。すでに去就に注目が集まっているが、もし移籍した場合、この球場はどう変わるのか――。記者にとってはこちらも気になるところである。

著者プロフィール
○川村虎大(かわむら・こだい)1998年2月、茨城・土浦市出身。土浦一高から早大に進学。早大では軟式庭球部に所属するかたわら、ソフトテニス専門誌に寄稿。2021年からFull-Countに所属し、2023年からエンゼルスを中心にMLBを取材。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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