見たくない“バックスクリーン” 開幕からまさかの不振…山口航輝が立ち向かう壁
開幕から80打席目、“笑顔なし”の今季1号「何にも嬉しくなかった」
4月25日の本拠地・西武戦では、3点ビハインドの9回に増田から左翼スタンドへ今季1号を放った。豪快に引っ張り、高々と舞い上がったらしい一発。80打席目にしてようやく生まれたアーチだったが、嬉しさは微塵もなかった。
ガッツポーズもなくダイヤモンドを淡々と一周し、ベンチのチームメートとのハイタッチを終えても、口角は上がらなかった。「あんなに嬉しくないホームラン初めてです。なんにも嬉しくなかった。それまでが酷すぎたので」。30本塁打を掲げながら、4月下旬にやっと1本目。自分自身へのイラ立ちのほうが大きかった。
追い打ちをかけるように、28日の試合で左太ももを負傷。翌29日に出場選手登録を抹消になる。それから2週間は、リハビリのため満足にバットを振り込めない日も続いた。午前中に調整を終え、午後は帰宅して1軍の中継を見る日々。「試合はしっかり見てました。自分は何してるんやろうなって。自分がいなくてもチームは勝ってたので、複雑でしたね」と苦笑いする。