五十嵐亮太氏と元ラグビー日本代表主将が意気投合 2人に共通する「環境を楽しむ力」

日米23年のプロ野球生活を送った五十嵐亮太氏【写真:徳原隆元】
日米23年のプロ野球生活を送った五十嵐亮太氏【写真:徳原隆元】

元メジャー投手と元ラグビー日本代表主将の共通点

菊谷:僕は多分、自分が置かれた環境を最大限に楽しむ能力は高いんですよ。どこでもエンジョイできるスキルはあるんです。それで練習もいっぱいするし、環境を楽しむための努力は人一倍します。

五十嵐:それは僕もありますね。それ以外に、例えば練習量だったり、ウエートで持ち上げる重さだったり、これだけは人に負けないというものは?

菊谷:……お酒を飲む能力?(笑) お酒を飲んだ翌日も手を抜かず練習する能力は、代表でもトップでしたよ。

五十嵐:それはアスリートという枠を越えた、人間としてのすごさ?(笑) いやぁ、僕は菊谷派ですね。飲む時間も大切にしたいタイプだから。ただ、今の現役はストイックな選手が多いから、そこと比べると志が低く見えるんですよね(苦笑)。

菊谷:まさにラグビーも一緒です。この間、日本代表のリーチ・マイケルに会ったら「今の代表はキクさんの時みたいな酒の飲み方はしないんですよ」って。「ちょっと微妙な角度から俺をディスるのやめてくれない?」と言っときました(笑)。

五十嵐:お酒を飲んでいなかったら、もっと違う現役生活だったのかなと考えることはあるんですよ。ただ、飲まなかったら、逆に23年も現役を続けられなかった可能性もある。競技だけに集中するのは、僕はつまらないというか……。

菊谷:何のために野球やラグビーをしてるのかなってなりますよね。

五十嵐:そう。僕は野球のためだけに時間を使えないんですよ。メリハリが必要だし、彩りのない人生はつまらない。白黒の人生は。

菊谷:うわっ、カッコいいこと言った(笑)。まさにその通り! 僕にとってもお酒は人生に彩りを加える要素の1つですね。

五十嵐:生き方は人それぞれ。もちろん、アスリートにはお酒を飲まないメリットの方が多いだろうし、遅くまで飲むんだったら睡眠時間を確保した方がいい。それは僕も分かってます。食事や睡眠を徹底管理する生活に耐えられるアスリートたちは多いし、それで彼らの人生は彩られている。でも、僕ら2人はそれでは彩れないんですよ。

菊谷:そうですね。しかもラグビーの場合、そもそもお酒を介した交流が文化でもあるスポーツなので。

五十嵐:え、どういう意味?

ラグビーの伝統「アフターマッチファンクション」

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