8年間で参加校が20倍超 “勝利至上主義”から脱却へ…高校野球で拡がるリーグ戦の気運

高校野球でリーグ戦導入の機運が高まっている
高校野球でリーグ戦導入の機運が高まっている

「野球界をより良い方向へ」CAMBIOベースボールミーティング開催

「日本の野球界をより良い方向に変えていく」をテーマに、少年野球、高校野球関係者らが一堂に会した「CAMBIOベースボールミーティング」が先日、オンラインで開催された。大阪府堺市のプロスペクト株式会社と、少年硬式野球チーム「堺ビッグボーイズ」を運営するNPO法人「BBフューチャー」が発起人となり、2017年に初開催されて今回が7回目。元プロ野球選手や他競技の関係者も含めて約70人が集い、活動報告やディスカッションを行った。

 野球人口拡大、投球数制限、金属バットの規定変更など、球界の“CAMBIO”(カンビオ、スペイン語で「変化・変革」)に向けた提言をしてきたこのミーティング。その中でも今、高校野球界で1つのうねりとなって現れてきているのが「リーグ戦」の広まりだ。

 選抜大会、夏の全国選手権に代表されるように、高校野球といえば一発勝負のトーナメントが主流。しかし、それは時として“勝利至上主義”を生む土壌ともなるリスクが以前から指摘されてきた。そこで「BBフューチャー」理事長の阪長友仁さんが提唱してきたのが、全国のチームが各地区ごとに分かれて実施する「Liga Agresiva」(リーガ・アグレシーバ)。今回のミーティングでも現状報告がなされ、2015年にわずか6校でスタートした同リーグの参加校が、昨年には20都道府県で約130校にまで増加し、今年は150校以上の高校からの参加が見込まれているという。

「昨年パ・リーグを制したオリックスでも、勝率は.539。それだけ拮抗した中で、勝ったり負けたりを繰り返しながら学べるのが野球というスポーツ。それができないのが(負ければ終わりの)トーナメント戦の弊害でもあります」と阪長さんは訴える。

試合後の“学びの場”に反響「新たな野球の面白さに気付いた」

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