ピンチこそ「投手の本能出す」 決勝戦でプロ注目の右腕対決…明暗分けた“差”とは

らしくない投球の明大・村田賢一「自分に負けた」

 一方で、“らしくない”ピッチングとなってしまったのが村田だ。春季リーグは7試合を投げて防御率0.80。丁寧にコースを突く制球力と安定感が持ち味の背番号「11」だが、この決勝は初回にいきなり珍しい死球を与えるなど不安定な立ち上がり。先制二塁打を放った青学大・西川史礁内野手(3年)が「甘く入った球を積極的に振っていけるように対策してきた」と言うように、好調の青学打線は見逃してくれなかった。

「自分に負けた。気持ちが(試合に)入っていけず、決勝を戦っている感じがしなかった」と素直に吐露した村田。闘争心を高められなかった原因は「(湿度の高い雨模様の)天気もあったかもしれない」と言うが、リーグ戦3連覇、昨秋の神宮大会でも優勝と、勝ち続けてきた“心の隙”も、そこにはあったのかもしれない。

「1年2か月、負けてこなかったですから、課題も発見できました。(常廣は)球も速いけれど、低めに制球ができていた。自分も、どんな状態でも低めにコントロールできるように精度を磨いていきたい」と村田。明暗を分けたドラフト候補対決、収穫も課題も得た2人が、この秋にどんな姿をマウンドで見せてくれるのか楽しみにしたい。

(高橋幸司 / Koji Takahashi)

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