ピンチこそ「投手の本能出す」 決勝戦でプロ注目の右腕対決…明暗分けた“差”とは

決勝戦に先発した青学大・常廣羽也斗(左)と明大・村田賢一【写真:中戸川知世】
決勝戦に先発した青学大・常廣羽也斗(左)と明大・村田賢一【写真:中戸川知世】

■明大を完封した青学大・常廣羽也斗が大会MVP

 大学日本一の座をかけた第72回全日本大学野球選手権は11日に神宮球場で決勝戦が行われ、青学大が明大を4-0で下し18年ぶり5度目の優勝を果たした。東都大学と東京六大学の王者同士の激突で注目を集めたのが、青学大・常廣羽也斗投手(4年)と明大・村田賢一投手(4年)のドラフト注目右腕同士の投げ合い。結果は4回途中で降板した村田に対し、常廣は大会MVPに輝く完封劇と、大きく明暗を分けた。その要因の1つは、頂上決戦に向けた“メンタルの整え方”の差にあったようだ。

「想像もしていなかった」という大学日本一と、無失点でのMVPだ。常廣は150キロ前後の球速表示以上に切れのあるストレートを主体に、明大打線に三塁を踏ませず10三振を奪った。優勝インタビューでは「6回くらいで代わるのかなと思っていた」と語っていたが、本心は違う。「9回を投げ切ってやろうという気持ちだった」と強気だった。

 原動力となったのは、春に味わった悔しさだ。昨秋はクローザーとして8試合を投げて防御率0.30と結果を残し、今春は先発に挑戦。3勝をマークしながらも投球内容に納得がいかず、「全日本で取り返したいと思っていた」という。

 8日の中部学院大(東海地区大学)との準々決勝では、6回を9奪三振無失点。決勝の舞台に向けても「やってやる」と気持ちを高め、実際に180センチの長身を躍動させた。ピンチの時こそ「投手の本能を出して、意地でも腕を振ることを大事にしている」という常廣。だからこそ、走者を背負った時のストレートはさらに打者の手元で伸び、変化球で最も自信があるというフォークも鋭く落ちた。今大会の首位打者、明大・飯森太慈外野手(3年)も3打数1安打。「落ちる球もコントロールされていたし、前で(ボールを)放すので球速以上に速く感じた」と脱帽した。

 中野真博投手コーチとともにフォーム改善に取り組むなどして、少しずつ長い回を投げられるように成長。大学の頂点を決める舞台で結実した。「これからも大きな試合、大きな舞台で任せられる投手になりたい」と、背番号16は力を込めた。

らしくない投球の明大・村田賢一「自分に負けた」

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY