「私立、公立は関係ない」 中高生を30年指導…ベテラン監督が説く“野球の本質”

播磨ボーイズ・中上晴彦監督【写真:橋本健吾】
播磨ボーイズ・中上晴彦監督【写真:橋本健吾】

高砂南、姫路工で12年コーチを務めた兵庫・播磨ボーイズの中上監督

 群雄割拠の兵庫でしのぎを削る中学硬式野球「播磨ボーイズ」は、次のステップの高校野球で活躍する選手育成に力を注いでいる。高校野球のコーチングを経て、同チームを率いて18年目を迎えた中上晴彦監督は「私立、公立は関係ない。試合に出場することで野球の楽しさを感じてほしい」と語る。

 中上監督は過去に地元・兵庫の高砂南で2年間、元巨人・真田裕貴投手を輩出した姫路工で10年間コーチを務め、2005年に播磨ボーイズの監督に就任した。自身は“昭和野球”の全盛期で育ち、コーチ時代も熱血漢の監督をサポートしていただけに「中学生をどうやって教えたらいいのか戸惑いもありました。我々の“当たり前”は子どもたちには当り前じゃないことに気付きました」と振り返る。

 高校生以上に体格差が如実に現れる中学生は肉体的、精神的にもまだまだ未熟。厳しいトレーニングや反復練習ができるほど体は仕上がっていない。まずは打つ、投げる、守る、走るの基礎を子どもたちに伝え、選手個々の考えを知るため自ら積極的にコミュニケーションを取っていった。

 技術的な指導もさることながら、監督に就任してから心掛けているのは「上手い、下手で選手を見ない」こと。平日練習から常に目を配り、努力する選手には必ず試合でチャンスを与える。強豪チームの中には3年間で1度も試合に出場せず終わる選手もいるが「それでは野球が嫌いになる。結果はどうあれ試合の中で感じることが成長につながる」と自らの考えを口にする。

強豪校に進学しても「試合に出られないなら意味がない」

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