NPBで40年戦い続けた“名参謀”が挑む高校野球 心に刻む恩師の言葉「アマに学べ」

沖学園のシニアディレクターに就任した森脇浩司氏(左)【写真:学校提供】
沖学園のシニアディレクターに就任した森脇浩司氏(左)【写真:学校提供】

21歳下の高校野球監督と2時間談義「有意義な時間でした」

 根本氏は西武球団管理部長、ダイエー球団社長などを務め、“球界の寝業師”の異名を持つ超凄腕のフロントとしても有名だった。1999年に72歳で亡くなったが、そんな大師匠からの言葉を森脇氏は忘れることはない。「根本さんの独特な言い方なんですけど『プロの指導者なんて、ろくな奴がいない。みんな自分ではだいたいできた奴が指導者になっていくから、感覚でものをしゃべったりしている。アマチュアの指導者は本当によく勉強している。だから、アマチュアの指導者からたくさんのことが学べるんだ』とおっしゃっていました」。

 森脇氏は沖学園でも「もう1回、勉強させていただこうと思っています」という。シニアディレクターは野球部、学校をサポートする立場。「もちろん勉強するだけでなく、自分が今まで学んできたことを、指導者の方とのコミュケーションの中で、何か伝えることができたらなという思いと、非常に多感な世代の生徒たちには野球の楽しさだけではなく、充実した学校生活を送ってもらいたいなという思いがある。何とかお力になれればと考えています」。

 先日、熊本工と練習試合があったという。「熊本工の田島(圭介)監督と2時間ほどコミュニケーションをとらせていただきました。私より21歳下で早稲田大では(ヤクルトの)青木とか(元阪神の)鳥谷とかと一緒に野球をやられた方なんですけど、素晴らしい方でした。私にとってはとても有意義な時間でした。アマチュアの指導者に学ぶっていうのはこういうことなんだなって、ふっと根本さんが浮かんだりしましたね」と森脇氏はにっこり。「これからもいろんな方にお会いするのが楽しみです」と話した。

(山口真司 / Shinji Yamaguchi)

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