選抜準優勝も「一番悔しい大会」 2カ月間姿を消したエース…“沈黙”の中で得たもの

6月10日の享栄との練習試合で実戦復帰…1イニングを1安打無失点

 頂点には立てなかった。しかし、“大本命”だった大阪桐蔭を破るなど、底力は見せつけた。選抜大会前にはプロ注目右腕として名前が挙げられていた右腕は「チームとしては結果を残せましたけど、個人としては一番悔しい大会でした」と複雑な思いを口にする。

 選抜大会後の2か月間はコンディションを整えることに専念した。今朝丸、間木、星山の“2年生右腕トリオ”がチームの中心となり春季大会を制覇し、昨秋に続く兵庫2冠を達成。盛田は焦る気持ちを抑えながら「夏に向けて万全の状態に仕上げる」と調整を続けた。

 6月10日の享栄(愛知)との練習試合で実戦復帰。7回に登板し、1イニングを1安打無失点だった。「トレーナーさんからも楽しんでいけと。躍動すること。一発目にしては悪くなかった」と手応えを口にする。

 大角健二監督も「夏はフル回転してもらうつもり。盛田なくして夏は勝ち抜けない。3年生の意地を見せてほしい」と復活を期待する。

 神戸国際大付、社、滝川第二、東洋大姫路など強豪が揃う「戦国・兵庫」を勝ち抜くには、背番号「1」の力が必要不可欠。選抜での忘れ物を取りにいく最後の夏。盛田の日本一への挑戦が再び始まった。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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