日本の野球、ラグビーはなぜ強くなった? メジャーリーガー&代表主将が感じる“変化”
元メジャー五十嵐亮太×元ラグビー日本代表主将・菊谷崇——同世代対談
日米23年のプロ生活を送った五十嵐亮太さんが、各界のトップで活躍する“同世代”と対談するシリーズ「極める」。同世代だからこそ共有できる想いを語ったり、異業種だからこそ新鮮に感じる発見に驚いたり、多岐にわたるトピックスについて語り合う。
第5回のゲストは、元ラグビー日本代表の菊谷崇さんだ。現役時代はフランカーやナンバーエイトとして活躍し、2011年には代表主将としてワールドカップに出場。2018年に一線を退き、現在は「Bring Up Athletic Society」を立ち上げ、子どもたちや指導者にラグビーなどのスポーツを通した学びの場を提供している。
実は中学卒業まで野球少年だったという菊谷さん。187センチで100キロを超える恵まれた体格を持つ元ラガーマンに、五十嵐さんが直球の質問を投げかける全3回シリーズ。最終回は「キャプテンシーと数値化」を語る。
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五十嵐:ラグビー日本代表ともなると個性派揃いでしょう。主将としてどうやってチームをまとめたんですか?
菊谷:小学生の時に6年生が2人だけだったから野球チームのキャプテンになったけど、中学、高校、大学、社会人と経験はなし。いきなり日本代表主将になって、どうしようかと思いましたね。
五十嵐:どうしたんですか?
菊谷:とりあえず、みんなで飲みました(笑)。試合が終わったら1時間、選手もスタッフもチーム全員で集まって飲む。そこでざっくばらんな意見交換をしました。それまで何人かで飲むことはあっても、チーム全員で必ず、というのはなかったと思います。
五十嵐:確かに、それはそれでまとまるかも。
菊谷:主将として試合中にグラウンド上で最終的なプレーの選択や決断はしたけど、リーダーシップを発揮してくれる人はいっぱいいたので、そこは任せていました。
五十嵐:いろいろなキャプテン像があって、自分だけで引っ張る人もいれば、任せられる人を置いて束ねる人もいる。僕はどちらかというと後者のタイプにトップに立ってほしいので、菊谷さんが同じチームにいたらついていきたいタイプ。シンプルで分かりやすいし、細かく面倒くさいことは言わなそうだし、チームメートはやりやすいと思うな。
菊谷:ありがとうございます(笑)。代表チームは少なくとも、目指す方向性が全員一緒だからいいんですよ。勝つことしか選択肢がないので。方向性が合わなかったり、モチベーションが上がらなかったりする人は去ればいいだけの話。あくまでも勝ち負けの世界ですから。