日本の野球、ラグビーはなぜ強くなった? メジャーリーガー&代表主将が感じる“変化”
五十嵐亮太氏が41歳まで現役を続けた理由とは
五十嵐:子どもの頃に数値化が進んでいたら、野球を続けていましたか? 野球を続けていたら絶対ホームランバッターになってたと思う。お酒も飲みながらの豪快なタイプ。「元プロ野球選手です」と言われたら、挨拶しちゃいそう(笑)。なんか初めて会った感じがしないんです。
菊谷:うれしいかも(笑)。なんぼ言うても、子どもの頃は近鉄バファローズのファンだったんで。ただ、野球を続けていたとは思わないですね。五十嵐さんはラグビーをやろうと思ったことは?
五十嵐:ないですね。ラグビーとかアメフトとかカッコいいと思うけど、僕はその世界では小柄な方だし、足も速くないし、向いてないと思います。ラガーマンとか少しの肉離れだったらプレーし続けるでしょ。痛みの感覚も違うから(笑)。
菊谷:お互い、自分に向いているスポーツに出会えて良かったということで(笑)。
五十嵐:2人とも環境を楽しめるタイプだっていうところも大事。どんな状況でも、ここでどうやって楽しもうか、その時のベストを見つけ出すのは上手い方だから。人生1回だけだし、何事も楽しめた方がいいですよ。
菊谷:言われたことをそのまま愚直に実行するのではなく、もっと楽しむための工夫はしますよね。現役は23年続けたんでしたっけ? なぜそこまで?
五十嵐:41歳まで現役でした。辞めるのは簡単だけど、辞めて戻ることは難しいから、できるだけ野球人生を楽しもうと思った結果ですね。辞めたら辞めたで今、楽しいんですけど(笑)。現役の時と同じくらい楽しいけど、勝ち負けで感情が揺さぶられる感じとか、大の大人が打たれて悔しいと思うことはもう味わえない。少し寂しいけど、その分、情緒は安定しています(笑)。
菊谷:長年プレーしても悔しさは変わらないんですね。そこがなくなったら現役辞めてるのか。
五十嵐:菊谷さんは今は全然プレーしないんですか?
菊谷:僕はたまにセブンズ(7人制ラグビー)をしてます。来週もまた試合に出ようかなって。
五十嵐:肉離れ怖くないですか?
菊谷:歩けなくなると仕事に支障が出るから困るけど、肉離れくらいだったら別に大丈夫。
五十嵐:ほら! やっぱりラガーマンは感覚がおかしい。
菊谷:今度アカデミーに遊びに来てください。子どもたちと一緒にラグビーしましょうよ。
五十嵐:いや、無理です。肉離れが怖いんで(笑)。
(佐藤直子 / Naoko Sato)